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クラーケン

クラーケン旧ホールマークことRHIエンターテインメントのパニックホラーTVM。タイトルの通り、クラーケンなダイオウイカがうんたらこうたら。

さすがRHIだけあってドラマはガッチリ作っている。カナダの漁村を舞台に、不満を募らせる原住民と野卑な白人漁師との対立がドラマパートの中心なのだが、この辺とダイオウイカの襲撃が見事に絡んでおり、漁協婦人会の嫉妬や漁業権を巡る諍いと徐々に緊張を積み重ねていき、ダイオウイカを目の前にして一気に超克する下りはなかなか見応えがあるのであった。

問題はダイオウイカの生物学的ツッコミが甘すぎるところかね。だって、イカのくせに真っ赤っかな血を流すんだぜ。アカンやろ。また最後の最後になって全容を表すダイオウイカの鈍くさいこと。ウィーンと海面からあらわれて、やあと挨拶しているような風情の間抜けさがかなり哀しい。あともう一踏ん張りしていたら恐らく傑作になれたのにねえ。

クラーケン・フィールド HAKAISHIN

クラーケン・フィールド HAKAISHIN

アヴィ・ラーナーが大作を手掛けながらも細々と続けるNU IMAGE怪獣シリーズ。タイトルの通り、クラーケンなダイオウイカが大暴れする。そうそう、誇大妄想なジャケットに騙されてはいかん。舞台はNYではなくどっかの海岸だ。ジョーズよろしく、ひとりひとりチマチマ食う様子が映画のメインなので、もっと大規模なデストロイを期待する向きはジャケ借りを控えるように。

ここんところNU IMAGEとべったりのティボー・タカクスがメガホンを握るが、ホームランを打ったと思ったら三振しまくるブレの多さは完全封印できた模様で、実に安定した演出だ。CG表現ではあるが、腕もいで頭もいでの外連描写をサクサクやってくれる。因業者は最後にゃあ、クラーケンに食われて惨死する。クラーケンは主人公たちの努力で退治されてしまう。うん、もうね、テンプレ仕事のようだ。

残念なことに、このあまりにも不安のない演出が、脚本のベタさをまったくカバーできてない。要するに何も新しい物がないんです。なんの刺激にもなりませんな。ま、お暇ならどうぞ。

オヤジギャグ魂を揺さぶるイカす予告編↓

ハイ・オクタン

ハイ・オクタン
スタントマン兼映画監督、ジョン・スチュワートの自伝映画。いや、自伝ビデオ。いや、もっと厳しいことをいうと、スタントマン版『ふぞろいな秘密』。金が掛かりそうなシーンは全部フッテージ、「オレってエラいけど大変なのよ~」という甘えきった態度がにじみ出る再現ドラマ。ひいき目にみても金を払うクォリティーではないので要注意。

この方の仕事といったら『パワーレンジャー』の俳優たちに稽古をつけたぐらいしか思いつかんのだが、本人役がそのパワーレンジャーのひとりだったりする。なんか知り合いに声を掛けまくって作ったようだ。「なあなあ、出てくれよ~たのむよ~」と仲間も甘えちゃったんだろうな。

そうそう、もうひとつ忘れてはならないスチュワートの偉業があって『デッドチェイス’90・地獄のハイウェイ』にて、未公開ながらも日曜洋画劇場で視聴率15%越えをしたことがあるという実績の持ち主。本作はその辺の制作秘話をひけらかしてくれる。

『デッドチェイス’90・地獄のハイウェイ』の原題は “Action in U.S.A.”なんていうど真ん中過ぎるもので、映画の初めから終わりまでカーチェイスばっかり。FBIと悪党が小娘を奪い合って、何十台も車をクラッシュさせ、拳銃一発で車が大爆発を起こしたりする。その派手なだけで園児もド胆を抜く幼稚極まりない内容に「脚本、たぶん無いんだろうなあ」と観た当時思ったが、本作によって脚本をちゃんと書いていたという衝撃の事実が明らかになる。アホだ。