リベンジ 極限制裁
ある日トーマスが謎の電話で呼び出される。「お前の息子を殺した男を捕らえたぞ。」トーマスは自宅を襲撃した強盗にひとり息子を殺されて以来、空疎に生きていた。しかしとある筋から「報復を仲介する組織」を紹介される。どうも電話の主はその組織の人間らしい。トーマスは呼び出された倉庫にたどり着くと、顔にずた袋を被せられて縛られている男に気付く。周りを見渡すとドリル、ノコ、釘、ハンマー、拳銃etc.と拷問に使えそうな道具一式。どこからとも無く声が響く。「さあ、その男を好きにしろ」
本作はトーチャー・ポルノの皮を被ったバディ・アクションだ。前半は、復讐に駆られる課程と拷問部屋に残された2人のやり取りが同時並行で描かれる。トーマスは縛られた男を責めながらもこの男は息子を殺した犯人ではなく人違いなのでは? という疑念が起こる。そして自問自答の末、組織の銃が睨む中で、トーマスは縛られた男を解放し2人で拷問部屋から脱出することにする。心理劇からアクションに転じるこのダイナミズムが本作の妙味で、是非本作を手にとって味わってもらいたいとお勧めする。
問題は狭い通路をはいずり回る様子が主になるアクションのバリエーションの無さか。この辺はBテイストとみるかどうかは判断が分かれるところなんだけど、前半のキリキリとしたサスペンスと比較するとちょっと緊張感に欠けるかもしれんね。
でもこの辺助かるのは、縛られた男役のティル・シュヴァイガーのマイケル・マドセンみたいな佇まいと組織の仲介役のクリストファー・プラマーのそこはかとない怪しさ。シュヴァイガーは敵なのか味方なのか分からぬ曖昧さを持ち前の雰囲気だけで伝えているし、プラマーはどうやってもプラマーなのでなんか怪しいよと思ったらやっぱり怪しかった。こういう分かりやすいタイプキャストの配し方が、グッドなB級映画というヤツなんですよ。
作り手もその辺をよく分かっているみたいで、悪党成敗! みたいなとってつけたような後日談をくっつけてとっととエンドロールに逃げ込む、なかなか潔いシメ方をする。アサイラムとかクソ映画を量産するメーカーさんは、この方法論を絶対身につけておきなさい。